経穴

経穴(けいけつ)は、人体の特定のポイント「ツボ」として知られています。体内のエネルギーが流れる経路である「経絡」に沿って分布しています。鍼治療や指圧などの療法で刺激されることが多く、体の特定の不調を治療したり、全体の健康を促進することに使用されます。

経穴の理論は、古代中国において数千年前に発展しました。伝統的には、体内の気(チー)の流れを調節し、バランスを取るための方法とされています。気は、生命力やエネルギーを表し、その流れが滞ると様々な健康問題が発生すると考えられています。


手の太陰肺経 (Lung Meridian: LU)

手の陽明大腸経 (Large Intestin Meridian: LI)

足の陽明胃経 (Stomach Meridian: ST)

足の太陰脾経 (Spleen Meridian: SP)

手の少陰心経 (Heart Meridian: HT)

手の太陽小腸経 (Small Intestine Meridian: SI)

足の太陽膀胱経 (Bladder Meridian: BL)

足の少陰腎経 (Kidney Meridian: KI)

手の厥陰心包経 (Pericardium Meridian: PC)

手の少陽三焦経 (Triple Energizer Meridian: TE)

足の少陽胆経 (Gallbladder Meridian) GB

足の厥陰肝経(Liver Meridian:LR)

督脈(Governor Vessel: GV)

任脈 (Conception Vessel: CV)


五兪穴・五要穴・五行穴

五兪穴

井(せい)、滎(えい)、兪(ゆ)、経(けい)、合(ごう)の名前は気の流れを水流れに例えてつけられ、それぞれに五行を当てはめ、陰経は木火土金水の順番で、陽経は金水木火土の順番で経気(けいき、すなわち脈気の流れ)が流れる。

  • 心下満 :心窩部の膨満感や緊張
  • 身熱  : 身体の熱
  • 体重節痛 : 身体が重だるく 関節が痛む
  • 喘咳寒熱: 呼吸困難、咳、悪寒や発熱
  • 逆気而泄 :逆気=のぼせ、泄=漏らす
経気 出る所 溜る所 注ぐ所 行く所 入る所
主治 心下満 身熱 体重節痛 喘咳寒熱 逆気而泄

五要穴

臨床上、特に重要な作用を持つとされている経穴で、診断・治療に使う頻度が高い。

  • 原穴 :原気(元気)が多く集まるところ、臓腑の病
  • 郄穴:経絡と経気が深く集まるところ、急性疾患
  • 絡穴:本経脈が他の経脈と連絡するために分岐するところ、慢性症状
  • 募穴:臓腑の気が多く集まるところ、陽の病(腑の証)
  • 兪穴:臓腑の気が注ぐところ、陰の病(臓の証)
(陰経) 原穴 郄穴 絡穴 募穴 兪穴
足の厥陰肝経 太衝 中都 蠡溝 期門 肝兪
手の少陰心経 神門 陰郄 通里 巨闕(任) 心兪
足の太陰脾経 太白 地機 公孫 章門(肝) 脾兪
手の太陰肺経 太淵 孔最 列穴 中府 肺兪
足の少陰腎経 太渓 水泉 大鐘 京門(胆) 腎兪
手の厥陰心包経 大陵 郄門 内関 膻中 厥陰兪
(陽経) 原穴 郄穴 絡穴 募穴 兪穴
足の少陽胆経 丘墟 外丘 光明 日月 胆兪
手の太陽小腸経 腕骨 養老 支正 関元 小腸兪
足の陽明胃経 衝陽 梁丘 豊隆 中脘 胃兪
手の陽明大腸経 合谷 温溜 偏歴 天枢(胃) 大腸兪
足の太陽膀胱経 京骨 金門 飛陽 中極 膀胱兪
手の少陽三焦経 陽池 会宗 外関 石門 三焦兪

五行穴

上下肢の肘関節と膝関節から末梢にある十二経脈上の経穴のうち、 五行の性質が付されている経穴。

(陰経) 井木穴 栄火穴 兪土穴 経金穴 合水穴
足の厥陰肝経 大敦 行間 太衝 中封 曲泉
手の少陰心経 少衝 少府 神門 霊道 少海
足の太陰脾経 隠白 大都 太白 商丘 陰陵泉
手の太陰肺経 少商 魚際 太淵 経渠 尺沢
足の少陰腎経 湧泉 然谷 太渓 腹溜 陰谷
手の厥陰心包経 中衝 労宮 大陵 間使 曲沢
(陽経) 井金穴 栄水穴 兪木穴 経火穴 合土穴
足の少陽胆経 足竅陰 俠渓 足臨泣 陽輔 陽陵泉
手の太陽小腸経 少沢 前谷 後渓 陽谷 小海
足の陽明胃経 厲兌 内庭 陥谷 解渓 足三里
手の陽明大腸経 商陽 二間 三間 陽渓 曲池
足の太陽膀胱経 至陰 足通谷 束骨 崑崙 委中
手の少陽三焦経 関衝 液門 中渚 支溝 天井