気の種類

原気(元気)

原気はその源を先天の精とし、三焦(組織・器官以外の領域・生理物質の通り道)を通って全身に分布する。先天の気。

人体の最も根本的な気。生命活動の原動力。

人の成長や発育を促す
臓腑の生理活動を始動させる
生命活動の原動力となる

宗気

飲食物より得られる水穀の精微と呼吸により得られる自然界の清気とが合わさり、化生される気。
宗気は胸中に集まり心肺の活動を支える働きを持つ。後天の気のひとつ。

①呼吸を推動する
宗気は肺の呼吸を推動するため、呼吸や発声などは宗気と関係する。

宗気が充実:
呼吸はゆったりとして均一で、発語ははっきりとしており、声は大きくよく通る。
宗気が不足:
呼吸は浅くて速く微弱で、発語ははっきりせず、声は低く弱くなる。

②血の運行を促進する
宗気は心の血を椎動するため、心拍動の力とリズムなどは宗気と関係がある。

宗気が充実:
脈拍はゆったりとし、リズムは一定で力がある。
宗気が不足:
脈はリズムが不規則となったり、微弱で力がなくなったりする。

営気

豊かな栄養分を持ち、血の一部として脈中に入り全身をめぐる。後天の気のひとつ。

組織・器官などの活動を支える

衛気

活動性が高く動きが速いという性質がある。皮毛を潤沢に保つ。
血脈内に拘束されることなく、外は皮膚・肌肉から内は臓腑に至るまで、全身にくまなく分布する。後天の気のひとつ。

①外邪の侵襲を防ぐ
腠理の開闔を正常に行うことにより、外邪の侵襲を防ぐ役割を担う。

衛気が充実:体表を防御することができ、外邪が侵襲しにくくなる
衛気が虚弱:外邪を感受しやすくなる

②全身を温め養う
肌肉・皮毛・臓肺などを温める。

衛気が充足:組織・器官は温められ、体温を一定に維持することができる

③腠理を開闔する
腠理の開闔を制御して、汗を正常に分泌するように働く。発汗を調整し、体温を一定に保つ。
汗の正常な分泌を通じて、身体は体温を一定に維持することができる。

衛気が虚弱:腠理の開闔がうまくいかず、無汗・多汗あるいは自汗などの病理現象が起こる

④昼夜で分布部位が異なる
衛気は昼間に体表部を25周し、夜間に体内部を25周する。